こんにちは、鉄飛テクノロジーの岡田です。
先日、打ち合わせで、こんな話になりました。
「業務改善のためって言って、新しいシステムを、いきなり全部入れる。これって、現場からすると、めちゃくちゃストレスなんですよね」
相談相手が、まさにその通り、と反応しました。「経理のおばちゃんに『明日からこれ使ってください』って言えますか。言えないですよね。無理だもん」。
これ、笑い話みたいですが、私はすごく大事な話だと思っています。
会社に長く務めてきた方は、その業務のやり方を、体で覚えています。フォルダのどこに何があるか、承認は誰にもらうか、書類の並べ方はどうするか──言葉にはなっていないけど、確実に体に染み込んでいる。
そこに、新しいシステムを持ち込むということは、その染み込んだ体の記憶を、全部、書き換えろと言うことです。
これは、想像以上に、大きなストレスです。
大企業でも、同じことが起きます。相談相手が、以前、物流の会社にいた時の話を教えてくれました。大きな物流を変えるとき、システムが同じままだったら、行けそうだったそうです。ところが、システムを変えるとなった途端、「どう変わるんですか?」「基本変わらないと言いつつも、どっかのユーアイが変わったりとかオペレーションがちょっと変わるとか」──こういう議論が始まって、意思決定する人が、リスクを負えなくなる。
だから、変えられない。
これは、経営者の意志が弱いのではなく、現場の抵抗が強いのでもなく、システムが悪いのでもない。「業務のやり方を、いっぺんに変えることの、そもそもの難しさ」があるだけです。
私たちは、この難しさを、正面から認めることにしました。
だから、私たちの提案は、こうです。今までの業務フローは、そのまま。今までの書類の場所も、そのまま。今までのやり方に、なるべく手を加えないで、その周りだけを、少しずつ楽にしていく。
たとえば、見積書を毎月五百枚、担当者がエクセルマクロで作っている会社があるとします。これを「新しいシステムで、全部作り直しましょう」とは言いません。エクセルマクロは、そのまま。ただ、その周りに、エーアイで矛盾チェックする仕組みや、過去の見積もりを瞬時に検索できる仕組みを、追加していきます。
担当者から見ると、いつもの通り、エクセルマクロで見積書を作っている。でも、いつもより早く終わる。いつもより、間違いが減っている。「あれ、なんか楽になったな」と、気がつかないくらい自然に、業務が改善されている。
これが、経理のおばちゃんに「明日からこれ使って」と言わずに済む、業務改善のかたちです。
「業務改善って言っても、現場の反発があってできないんですよ」と諦めてきた方に、こう言いたいです。
そのままの業務フローで、良くなる方法が、あります。