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AIは、取材が下手です

作成者: kakugawa|Jul 30, 2026, 6:46:36 AM

こんにちは、鉄飛テクノロジーの岡田です。

うちの製品のサポートを、長くやってきて、身につけたことがあります。

お客様の言うことを、そのまま信じない、ということです。

失礼な言い方に聞こえるかもしれませんが、これは、お客様のためにやっていることです。

たとえば、「エラーが出ています」と、お客様から連絡が来ます。私たちは、返します。「本当ですか?」と。すると、「動きません」と返ってくる。もう一度、聞きます。「電源は入っていますか?」と。すると、「あ、コンセントが抜けていました」。

そういうことが、本当にたくさんあります。

だから、私たちは、聞き返します。エラーメッセージだけでは分からないから、画面のハードコピーを送ってください。トリミングせずに、画面全体を撮ってください。せめて、アドレスバーは入れてほしい。誰でログインしているかは、右隅に出ているはずです。ブラウザの種類は、上のツールバーで分かります。マックか、ウインドウズか、それだけでも、原因の絞り込みが全然変わる。

この聞き返しを、しつこく、地味に、やってきました。それが、私たちの取材力です。

ところが、AIは、これが、あんまり得意ではありません。

不十分な情報を渡しても、「もう少し詳しく教えてください」とは、聞き返してこない。適当に推測して、答えを組み立ててしまう。

これは、なぜかというと、AIは、「答えを出す」ことが目的だからです。「情報が足りないので、これ以上は答えられません」と言うより、「多分こうです」と言う方を、選んでしまう。

だから、AIに「うちの社内で、こういうトラブルが起きているのですが」と聞くと、それらしい答えは返ってきます。でも、その答えは、AIが会社のことを知らないまま、想像で組み立てたものです。

お客様に聞き返せば、実はコンセントが抜けていたと分かる。AIは、コンセントを疑わずに、「メモリ不足かもしれません、増設をご検討ください」みたいなことを言う。

これが、AIの、危ないところです。

取材力がない。分からないことを、分からないと言わずに、それっぽい答えを出してくる。しかも、その口調は自信満々なので、聞いた側は「そうなんだ」と信じてしまう。

いま、社内で「AI活用」を進めている会社は、この点に、気をつけたほうがいいと思います。AIの答えを、そのまま鵜呑みにする文化ができると、後で困ります。「AIがこう言っていたから」で、意思決定してはいけない。

AIは、優秀な下書き作成者です。答えを出してくれる。でも、その答えが正しいかどうかは、人間が、地味に、聞き返しながら、検証しないといけない。

私たちが、20年、お客様相手に磨いてきた「取材力」は、AI時代のほうが、価値が上がっている気がします。

誰かが、「その答えの根拠は?」と、しつこく聞き返す。「本当にそうですか?」と、疑ってかかる。それをせずに、AIの言うことを、そのまま流していると、いつか大きな間違いをします。

AIは、取材が下手だ。それだけは、覚えておいたほうがいいと思います。